宮崎駿の狂気を見た

NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」で「ジブリと宮﨑駿の2399日」を見た。

映画「君たちはどう生きるか」の制作に密着した内容が中心になるのかと思いきや、途中から高畑勲監督との関係に焦点を移して宮崎駿を追いかけ始めた。宮崎駿にとって、高畑勲は目標でありライバルであり認めてもらいたい存在であったようだ。 「君たちはどう生きるか」 の制作途中で、高畑が亡くなって宮崎の制作意欲がなくなってしばらく停滞してしまう様子や、絵コンテを狂気のごとく何度も直している様子など人間臭いクリエイターの側面も見られた。

映画「君たちはどう生きるか」 の中のキャラクターは、主人公が宮崎で、大叔父が高畑、アオサギが鈴木プロデューサーということがはっきり明言されていた。終盤のシーンで、大叔父が主人公にこの世界(大叔父が管理している別世界)を引き継いでくれと言われて、それを拒否しているシーンがある。宮崎が高畑との精神的な決別を映画を通して宣言したということだろう。

番組構成の演出も過去の映画作品と重ねて表現されており、何かを制作しているような仕事をしている方なら必見の番組だ。

受信料を支払っているのならば、NHK+で「プロフェッショナル 仕事の流儀 ジブリと宮﨑駿の2399日」を2023年12月23日までみられる。